シーバスとブラックバスは親戚関係にある魚と言われ、激しいファイトが楽しめることで、人気となりました。シーバスは釣った後に調理して食べるととても美味しい魚なので楽しみですね。シーバス釣りの初心者の方にとって釣り方やマナー、コツは知っていた方が釣果が期待できるので紹介します。
- 前編：シーバスについて知ろう！釣りに必要なものは？徹底解説！【本記事】
- 後編：いざ実践！シーバス釣りに挑戦！
心得その1：シーバスはどんな魚?
ルアーフィッシングの対象魚として人気のシーバスは、スズキ目・スズキ亜目・スズキ科・スズキ属の魚で、日本ではスズキと呼ばれるおなじみの魚です。スズキは大きさによって名前が「セイゴ・フッコ・スズキ」に変わる出世魚で、5年程度かかって大きくなります。60㎝以上の大きさがスズキと呼ばれることがあり、80㎝以上になるスズキはランカークラスと呼ばれています。
スズキ（シーバス）にも種類があってルアーフィッシングの対象となるのは、主にマルスズキとヒラスズキ、タイリクスズキです。スズキといえば生息数が多いマルスズキが一般的で、北海道の南部から鹿児島までの沿岸で見ることが多い魚です。
ヒラスズキはマルスズキと比較して、高い体高、太い尻尾の付け根が特徴です。岩礁地帯で餌を求めて泳ぎ回っているヒラスズキは荒磯の王者と呼ばれる魚です。一方、ウロコより大きな斑点が特徴のタイリクスズキは台湾などから輸入され西日本の沿岸部に住み着いた魚となっています。
心得その2：初心者必見！シーバスはどこでいつ釣れる？
シーバスが釣れる場所はどこ？
シーバスは北海道の南部から九州までの全国各地の沿岸部、川などの汽水域、上流域から中流域まで幅広く生息します。このようにシーバスは身近な場所を泳ぎ回る魚なので、アクセスや足場がよい都市近郊を流れる河川や漁港などが初心者に人気の釣り場となっています。またベイト（小魚）が多い磯やサーフ（砂浜）、ゴカイやカニがいる干潟にもシーバスは泳ぎ回っているので釣り場として人気です。
シーバスが釣れる時期や時間は？
シーバス釣りの時期は一年中といってもよく、春になると増えたベイトの捕食を目的に接岸しはじめ、梅雨の時期から秋口までよく釣れます。冬は水温の低下によってシーバスの動きが鈍くなり釣果は少なくなることは避けられないですが、ベイトが多い場所ではヒットする可能性は十分あります。
シーバスのルアーフィッシングでは、都市部を流れる河川や運河で楽しむ釣り方が一般的で、特に夜釣り（ナイトゲーム）で大物を釣り上げる情報はよくあります。また、海までアクセスが良ければ、磯や浜辺（サーフ）などで朝から夕方までの日中の釣り（デイゲーム）でシーバスを狙うことも可能です。
日が昇ったり、落ちたりする直前直後（朝夕マヅメ）はシーバスがベイトなどを捕食し始めるので、このタイミングで釣りをはじめると釣果が期待できます。
心得その3：シーバスの釣りに必要な道具や装備
シーバスの釣りに必要なロッド
シーバス釣りで使うロッド（竿）はルアーフィッシング用のリール竿で、リールの種類や対象魚、長さ、硬さなどを基準に選びましょう。ルアーフィッシング用のリール竿に使うリールには、スピニングリールとベイトリールがあり、スピニングリールにはスピニングリール用のロッド、ベイトリールにはベイトリール用のロッドを選ぶ必要があります。
初心者の方は、扱いが簡単なスピニングリールに合わせて、スピニングリール用のロッドがおすすめです。リールの種類が決まったら、釣場によってロッドの長さを選ぶことは重要で、硬さも参考にしましょう。
- 都市近郊を流れる川で、川幅が比較的狭い釣り場の場合：正確なポイントにルアーを投げることを重視するために比較的長さが短い8ft（約2.4m）程度のロッド
- 川幅が比較的広い釣り場の場合：飛距離を重視して9ft（約2.7m）程度のロッド
- 水面から距離がある磯や遠投が必要な堤防といった釣り場の場合：10ft（約3.m）程度のロッド
一方、ロッドの硬さについては、使用するルアーの重さによって選ぶ必要があります。一例を挙げるとシーバス釣り専用のロッドの場合、以下のように選ぶことがあります。
- 約20gまでのルアー：硬さ「L：ライト」
- 約30gまでのルアー：硬さ「MⅬ：ミディアムライト」
- 約40gまでのルアー：硬さ「M：ミディアム」
- 約60gまでのルアー：硬さ「MH：ミディアムヘビー」
シーバスの釣りに必要なリール
リールのサイズを「番」で表すことがあり、シーバス釣りのリールはだいたい3000～4000番台で中型に分類されます。大きなサイズのリールは重くなる傾向があり、あまりにも重いと扱うのが大変なので、一度釣具店で手に取って確認したほうがいいでしょう。
シーバスの釣りに必要なライン
ルアーフィッシングのメインラインにPEラインを使うことが多くなりました。PEラインはポリエステル素材を編み込んでおり、細くても高強度を発揮するので、シーバスのルアーフィッシングにもぴったりです。ただ、PEラインの表面はツルツルで滑りやすいので、結び目が抜けやすいデメリットがあり、結束力が強い結び方を覚える必要があります。
初心者の方はシーバス釣りでPEラインを選ばなくても、昔から使われているナイロンラインを選ぶ方法もあります。メインラインの種類が決まったら太さを考えます。PEラインであれば、ロッドの説明書などにメインラインの太さが記載していなければ、0.8～1号、ナイロンラインであれば、2号前後を目安に選んでください。
シーバスの釣りに必要なリーダー
リーダー(ショックリーダー)はシーバス釣りでは、ルアーとリーダーの間に割り込ませるラインのことです。メインラインに使われるPEラインは高強度ですが耐摩耗性に劣るため、岩礁や護岸で当たってこすれる根ズレに弱いのでリーダーを使います。
PEラインのリーダーには、フロロカーボンラインやナイロンラインを使うことが多く、太さは4号前後で、状況によってはもっと太いラインを使う事があります。
シーバスの釣りに必要なルアー
シーバスのルアーフィッシングで使うルアーには大きく分けて5つで、シーバスが泳ぐ水深や活性度合いで使い分けます。多くのペンシルベイトは流線型の細長い形で、水に浮くルアーなので水面付近を泳ぐシーバスに有効です。
- ペンシルベイト
- ポッパー
- ミノー
- バイブレーション
- ワーム
フローティングミノーは流線型の細長い形ですが、頭部にある水かきのようなリップが水の抵抗になって、小魚が水面を泳ぐように見えるルアーとなっています。紹介したペンシルベイトやミノーの中には、シンキングペンシルやシンキングミノーといった水に沈むルアーもあります。
また、ポッパーのように頭部にあるカップによって水を押し出して音を発生させたり、バイブレーションのように泳ぐことで波動を発生させたりして、シーバスにアピールするルアーも人気です。ジグヘッド(重りが付いたフック)にワームといわれるシリコン製のルアーを組み合わせたルアーもあります。バイブレーションやジグヘッドはシーバスの活性が低い場合に使うと有効です。
シーバスの釣りに必要な装備
シーバス釣りはロッド、リール、ライン、ルアーがあれば釣れますが、ランディングネットやフック外し、ラインカッターなども用意しましょう。60㎝以上もあるシーバスは、激しいファイトが予想され、取り込む際に暴れてバラしてしまうことがあるのでランディングネットを用意して下さい。岩礁や防波堤など釣り場から水面が離れている場合、柄が長いランディングネットを用意して下さい。シーバスはフックを飲み込んでしまうことがあるので、フック外しがあると便利です。
PEラインは高強度の反面、普通のハサミだと切りづらいことがあるので専用のラインカッターがあると重宝します。ルアーが増えたら、ルアーを収納するケースがあると便利です。
最後にどんな釣り場に行ってもライフジャケットの着用は基本なので用意して下さい。
