
漢字マニアも唸る!最難関・魚へん漢字の世界へようこそ
「初心者編」「中級編」と、魚へん漢字クイズをクリアしてきた猛者の皆さん、お待たせいたしました!いよいよ【上級編】の幕開けです。
まだ挑戦していない方はこちらからどうぞ!
この上級編では、日常ではまずお目にかかれないような、超難読漢字を厳選しました。魚へんの漢字の奥深さ、そして日本語の面白さを存分に味わえることでしょう。
中には「え、これも魚へんなの!?」と驚くような、意外な生き物も登場するかもしれません。
単に漢字の読みを当てるだけでなく、その魚(あるいは生き物)が持つユニークな生態や、名前に隠されたストーリー、そしてなぜその漢字が使われるようになったのか、といった背景知識まで深掘りしていきます。
全問正解は至難の業かもしれませんが、ぜひ最後まで諦めずにチャレンジしてみてください。あなたの知識と直感を総動員して、この難関を突破しましょう!
魚へん漢字クイズ【上級編】スタート!
心して挑んでください。ヒントは…ほとんどありません!
第1問

問題:【鰰】この魚なーんだ?
選択肢
- はぜ
- はも
- はたはた
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正解・解説
正解は…… 3. はたはた です!
「鰰(ハタハタ)」は、主に日本海側の深海に生息するスズキ目の魚。秋田県の県魚としても知られ、冬の味覚として人気があります。普段は水深200m以上の深場にいますが、産卵期になると沿岸の藻場にやってきます。
名前の由来は、産卵期に大群で押し寄せる様子が「はたはたと音がするようだから」という説や、雷が鳴る冬によく獲れることから古語で雷の擬声語「はたはた神」に由来するという説などがあります。「カミナリウオ」の別名も持ちます。
釣りでは、産卵のために接岸する時期に、岸からのサビキ釣りや投げ釣りで狙えることがあります。秋田などでは専門の釣り船も出ます。
食べ方は塩焼き、煮付け、味噌田楽などが定番。卵は「ブリコ」と呼ばれ、プチプチとした食感が楽しめます。また、ハタハタを塩漬けにして発酵させた魚醤「しょっつる」は、しょっつる鍋などに使われる秋田の伝統的な調味料です。
漢字の「鰰」は、魚へんに「神」。これは「はたはた神」の伝説や、神様からの授かりものとして大切にされてきた背景があると言われています。その年の漁獲を占う魚としても重要視されてきました。
第2問

問題:【鯱】この魚なーんだ?
選択肢
- さめ
- しゃち
- くじら
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正解・解説
正解は…… 2. しゃち です!
「鯱(シャチ)」、驚いた方もいるかもしれませんね。そう、シャチは魚類ではなく、クジラの仲間(ハクジラ亜目マイルカ科)の哺乳類です。「海のギャング」とも呼ばれる高い知能を持つ海の頂点捕食者で、アザラシや他のクジラさえも襲うことがあります。
では、なぜ魚ではないシャチに「魚へん」が使われているのでしょうか?
これは、古く中国で「鯱」という漢字が伝説上の生き物(虎に似ていて、水中に棲むとされた)を指しており、その姿や獰猛さが日本のシャチのイメージと結びついたためという説があります。また、単純に水中に棲む大きな生き物という意味合いで魚へんが用いられた可能性も考えられます。名古屋城の金の鯱(しゃちほこ)は、この伝説上の生き物がモデルとされています。
シャチを釣りのターゲットにすることは通常ありませんが、その圧倒的な存在感は多くの人々を魅了します。
漢字の「鯱」の「虎」は、その獰猛さや強さを表しているのでしょう。まさに海の王者たる風格を感じさせる漢字です。
第3問

問題:【鰐】この魚なーんだ?
選択肢
- あんこう
- うつぼ
- わに
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正解・解説
正解は…… 3. わに です!
「鰐(ワニ)」も、シャチと同様に魚類ではありません。ワニは爬虫類に分類される動物で、熱帯・亜熱帯の河川や湖沼、湿地などに生息しています。鋭い歯と強力な顎を持ち、水辺の捕食者として知られています。
では、なぜワニにも「魚へん」が使われるのでしょうか?
これも諸説ありますが、一つには中国で「鰐」という字が、水中に棲み、魚を食べる性質を持つことから、魚に関連付けられたという説。また、古代中国では水中に棲む大型の爬虫類を広く「魚」の仲間として捉えていた名残であるという説もあります。日本にワニは自然分布していませんが、漢字文化の伝来とともにこの文字が使われるようになりました。
釣りの対象ではありませんが(一部海外ではゲームフィッシングの対象となることも)、その原始的で力強い姿は、古代から人々の畏敬の対象となってきました。
漢字の「鰐」の「咢」は、ワニの大きな口や顎がぶつかり合う音を表すとも、顎そのものを指すとも言われています。
第4問

問題:【鰌】この魚なーんだ?
選択肢
- うなぎ
- どじょう
- あなご
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正解・解説
正解は…… 2. どじょう です!
「鰌(ドジョウ)」は、コイ目ドジョウ科に属する淡水魚。田んぼや小川、湿地などの泥底に生息しています。細長い体と口ひげが特徴で、空気呼吸もできるため、水の少ない場所でも生きられます。
「泥鰌」と書くこともありますね。
釣りでは、水路などでミミズなどをエサにして釣ることができます。かつては身近な食用魚でしたが、近年は生息数が減少している地域もあります。
食べ方としては、江戸時代から続く郷土料理「柳川鍋(ドジョウとゴボウを卵でとじた鍋)」が有名。その他、唐揚げや蒲焼などにもされます。栄養価が高く、滋養強壮によいとされてきました。
漢字の「鰌」の「酋」は、古い酒や長老を意味しますが、ここではドジョウの長いひげや、ぬるぬるした体表、泥の中に潜む様子などを表すために音を借りて使われたと考えられます。
第5問

問題:【鱓】この魚なーんだ?
選択肢
- はも
- うつぼ
- へび
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正解・解説
正解は…… 2. うつぼ です!
「鱓(ウツボ)」は、ウナギ目ウツボ科に属する海水魚の総称。鋭い歯と強力な顎を持ち、岩礁の隙間やサンゴ礁などに潜んでいます。「海のギャング」と呼ばれることもあり、その見た目から恐れられることもありますが、実際には臆病な性質を持つものも多いです。
種類も多く、トラウツボやドクウツボ(毒を持つ種もいる)など、様々な模様や色のウツボが存在します。
釣りでは、磯釣りや防波堤釣りなどで、思わぬ外道として釣れることがあります。引きは非常に強く、岩場に潜り込もうとするため、釣り上げるのは大変です。
食文化としては、地域によっては食用とされ、タタキや唐揚げ、干物などで食べられます。和歌山県などでは郷土料理として親しまれています。ゼラチン質が多く、コラーゲンも豊富と言われています。
漢字の「鱓」の「單」は、禅に通じ、じっと動かない様子を表すと言われ、ウツボが岩陰で獲物を待ち伏せる姿を連想させます。
第6問

問題:【鱵】この魚なーんだ?
選択肢
- さんま
- たちうお
- さより
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正解・解説
正解は…… 3. さより です!
「鱵(サヨリ)」は、ダツ目サヨリ科に属する海水魚。細長い体と、下顎が針のように長く突き出ているのが最大の特徴です。水面近くを群れで泳ぎ、プランクトンなどを食べています。
春を告げる魚の一つとしても知られています。
釣りでは、防波堤や磯からのウキ釣りやサビキ釣りで狙うことができます。アタリは繊細ですが、釣趣があり人気のターゲットです。
食べ方は、上品な白身で、刺身や寿司ネタとして人気があります。その他、天ぷら、塩焼き、吸い物などにしても美味しいです。透き通るような美しい身は、見た目にも涼やかです。
漢字の「鱵」の「針」は、まさにサヨリの針のように細長い下顎の形を表しています。非常に分かりやすい会意文字ですね。
第7問

問題:【鰶】この魚なーんだ?
選択肢
- このしろ
- いわし
- きびなご
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正解・解説
正解は…… 1. このしろ です!
「鰶(コノシロ)」は、ニシン目ニシン科に属する海水魚。ブリやボラと同様に出世魚で、成長段階によって呼び名が変わります。関東では、シンコ(新子)→コハダ(小鰭)→ナカズミ→コノシロと呼ばれます。特に「コハダ」は江戸前寿司に欠かせない寿司ネタとして有名ですね。
小骨が多いのが特徴です。
釣りでは、サビキ釣りなどで釣れることがあります。食用としては、酢で締めて寿司ネタにするのが一般的。シンコの時期は特に高値で取引されます。
名前の由来には面白い説があり、昔、焼くと死人の臭いがすると嫌われたため、「この城を代わりに焼いてくれ」と武将が言ったことから「この城代(このしろ)」になったとか、あるいは「飯の代わりにする魚(ママカリ)」として、隣の家に飯(この=飯)を借りに行くほど美味しいから、という説もあります(岡山県のママカリは近縁種)。
漢字の「鰶」の「祭」は、神事や祭りの際に供物として用いられたことから来ているという説があります。
第8問

問題:【鱧】この魚なーんだ?
選択肢
- あなご
- はも
- うなぎ
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正解・解説
正解は…… 2. はも です!
「鱧(ハモ)」は、ウナギ目ハモ科に属する大型の海水魚。鋭い歯と強力な顎を持ち、性質は獰猛です。ウナギやアナゴに似ていますが、より大きく、体表に模様がないことで区別できます。
京都の夏を代表する味覚として知られています。
釣りでは、船釣りや投げ釣りで釣れることがあります。非常に生命力が強く、釣り上げた後もなかなか弱らないことでも知られています。
食べ方としては、非常に小骨が多い魚であるため、「骨切り」という特殊な調理技術が必要とされます。骨切りされたハモは、湯引き(梅肉や辛子酢味噌で)、蒲焼、天ぷら、吸い物、鱧寿司などで楽しまれます。上品な味わいと独特の食感が特徴です。
漢字の「鱧」の「豊」は、体が豊かで大きいこと、あるいは栄養が豊かであることを表しているという説があります。生命力の豊かさにも通じるかもしれません。
第9問

問題:【鱏】この魚なーんだ?
選択肢
- かれい
- あんこう
- えい
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正解・解説
正解は…… 3. えい です!
「鱏(エイ)」は、板鰓亜綱(サメやエイの仲間)に属する軟骨魚類の総称。平たい体と大きな胸ビレが特徴で、海底を這うように泳ぎます。アカエイ、ガンギエイ、トビエイなど、多くの種類がいます。種類によっては尾に毒針を持つものもいるため、取り扱いには注意が必要です。
釣りでは、投げ釣りなどで外道としてかかることがあります。種類によっては食用とされ、特にヒレの部分は「エイヒレ」として居酒屋の定番おつまみになっていますね。その他、煮付けや唐揚げ、ムニエルなどで食べられることもあります。フランス料理では高級食材として扱われることも。
漢字の「賁」は「飾る」「盛ん」「勢いよく」といった意味を持ちます。エイの平たく大きな体や、毒針で刺す様子などからこの字が当てられたのかもしれません。
第10問

問題:【鱩】この魚なーんだ?
選択肢
- しまあじ
- かんぱち
- しいら
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正解・解説
正解は…… 3. しいら です!
「鱩(シイラ)」は、スズキ目シイラ科に属する大型の回遊魚。オスは成長すると額が張り出し、特異な体型になります。体色は鮮やかな黄色や緑色で、死ぬと色褪せてしまうことから「万力(まんりき)」の愛称の他、ハワイでは「マヒマヒ」と呼ばれ高級魚として扱われます。
夏から秋にかけて黒潮に乗って日本近海にやってきます。
釣りでは、オフショアでのトローリングやキャスティングで人気のターゲット。その美しい姿と強烈な引きで釣り人を魅了します。水面に浮く漂流物(浮きゴミなど)に集まる習性があります。
食べ方は、淡白な白身で、フライやムニエル、ソテーなどが一般的。新鮮なものは刺身でも食べられますが、身が柔らかいため、昆布締めなどにすると美味しくいただけます。
漢字の「鱩」の「暑」は、シイラが夏の暑い時期によく獲れることから来ていると言われています。まさに夏の魚を象徴するような漢字ですね。
上級編制覇おめでとうございます!あなたは魚へん漢字博士!
魚へん漢字クイズ【上級編】、本当にお疲れ様でした!
これらの漢字を全て読めた、あるいは解説を読んで「なるほど!」と膝を打ったあなたは、もはや「魚へん漢字博士」と言っても過言ではないかも…!?
「ツリログ」では、これからもマニアックな情報から初心者向けの基本まで、釣りの魅力を余すところなくお届けしていきます。最後まで挑戦していただき、誠にありがとうございました!