クロソイはロックフィッシュの中でも引きが強い魚として知られており、20cm程度のクロソイであっても、かなりのファイトが楽しめるので人気です。そして、食べても美味しい魚で刺身や煮つけにすると絶品です。ここでは、初心者の人に向けてクロソイの釣り方やタックル(仕掛け)、コツなどを紹介します。
クロソイの特徴
カサゴ目フサカサゴ科メバル属のクロソイは、地域によってはソイやオコゼ、ナガラゾイとも呼ばれる魚です。クロソイの強い黒みがある魚体は印象的ですが、釣れる場所によっては色に変化があり、キツネメバルと見間違えることもあります。
クロソイは北海道より、南の日本沿岸や漁港や防波堤などに生息して、イカナゴやマイワシ、甲殻類、タコ類、イカ類、ゴカイなどを捕食して生活しています。夜行性のクロソイは、昼間は岩礁などに隠れて、日没後にエサを捕食するために泳ぎ出す習性があります。
クロソイは塩焼きや煮つけにすると美味しい上、脂が乗っている時期は刺身にしても美味しい魚なので、釣った後も楽しめる魚です。また、冬季は、鍋や味噌汁の具にして食べても美味しいです。
クロソイの釣り方
岩礁の隙間などに潜んでいるクロソイは、エサを使った穴釣りが適していると言われていますが、投げ釣りやウキ釣り、ルアー釣りなどでも狙えます。大物を狙うのであれば船釣りとなりますが、初心者の人は漁港や防波堤で投げ釣りやウキ釣りで狙う釣り方がおすすめです。
クロソイが釣れる場所と時期
クロソイは年間を通じて釣れる魚ですが、特に秋から冬、春までよく釣れます。初心者の人は足場が良い漁港や防波堤がおすすめですが、大物のクロソイを釣るのであれば釣り船に登場して船釣りとなります。
エサを使ったクロソイの釣り方
エサを使ったクロソイ釣りではアタリが分かり易いウキを使った釣り方が初心者におすすめです。夕方から夜間になると、テトラポットや岩礁の隙間に潜んでいるクロソイが活動しはじめます。電気ウキを使う事で、夜でもアタリが分かり易いです。
ルアーを使ったクロソイの釣り方
クロソイは、比較的浅い水深の岩礁の隙間や堤防の際などに潜んでいますので、ハリとおもりが一体となったジグヘッドに柔らかい素材のワームを引っ掛けたルアーを岩礁の隙間に落とし込んで誘う釣り方がよく行われています。
また、小魚を模したミノーや水をはねて音を出すホッパーなどを使って、根がかりを恐れずに泳がせる釣り方もありますのでチャレンジしてください。
初心者必見！クロソイ釣りで必要なタックルなど道具や装備
ロッドやリール、ライン、タックルといった道具をまず用意してください。そのほかにもあると便利な道具や仕掛けを紹介します。
仕掛けや道具の紹介
- 釣れたクロソイが痛まないように保管する氷が入ったクーラーボックスは夏場には必需品です。
- エサ釣りの場合は、短冊切りにしたサンマやサバ、イカに加え、イワイソメやエラコ虫、コオナゴも釣具店などで用意してください。イワイソメなどを入れるエサ箱を用意したほうが、生餌の扱いが楽になります。
- 堤防など釣り場から水面の距離がある場合は、長い柄のランディングネットがあったほうがいいです。ラインを切断するラインカッター、クロソイがハリを飲み込んだ場合に便利なフック外し、仕掛けを入れるタックルボックス、携帯用のイスなどを用意したほうがいいでしょう。
- 堤防でソイ釣りを楽しむ際はラジアルソール、磯など滑りやすい釣り場ではフェルトスパイクのシューズを履いてください。サングラスや帽子を用意して着用することで、強い日差しや誤って飛んできたハリなどから頭や目を守ってください。
- 常に浮力があるフローティング式のライフジャケットや、着用していてもあまり邪魔にならない自動膨張式のライフジャケットをかならず着用してソイ釣りを楽しんでください。
エサ釣りでのリールの選び方
エサを使ったクロソイ釣りで使うリールは初心者の人であれば、海水対応のスピニングリールで、100〜150ｍ程度のラインが巻ける3000番前後のものを目安に選んでください。
エサ釣りでのロッドの選び方
エサを使ったクロソイ釣りで使うロッドは、初心者の人であれば、いわゆる磯竿(スピニングリール用)を選んでください。長さは4〜5ｍ程度で、硬さは使う仕掛けの重さに合わせて決めるので、ロッドの説明書を参考にしてください。
エサ釣りでのラインの選び方
エサを使ったクロソイ釣りで使うメインラインは、ナイロンであれば2〜4号、PEラインであれば1〜3号を目安に100〜150m位の長さを選んでください。
エサ釣りでのタックルの選び方
ウキ止めを付けたメインラインに、電気ウキ(遊動式)を通してからウキに対応した重さのタル型オモリを結び付け、ハリス(フロロカーボン、4号、50cm程度)＋ハリ(ソイバリ16号)を取り付けます。初心者の人は以下のような仕掛けもありますのでおすすめです。
ルアー釣りでのリールの選び方
エサを使ったクロソイ釣りで使うリールは、初心者の人であれば、ミディアムスプールのスピニングリール（海水対応）で100ｍ程度のラインが巻ける2000番前後を目安に選んでください。ミディアムスプールは、リールの糸巻き部分の溝の深さが中間のことです。
ルアー釣りでのロッドの選び方
ルアーを使ったクロソイ釣りで使うロッドは、ロックフィッシュ用(スピニングリール)かブラックバスやシーバス等用のロッド(スピニングリール)を代用することが多いです。長さは4～5ｍを目安に、硬さは使うルアーの重さに合わせて選択するので、ロッドの説明書を参考にしてください。
ルアー釣りでのラインの選び方
ルアーを使ったクロソイ釣りで使うラインはナイロンであれば2〜3号、PEラインであれば0.5〜0.8号を目安に選んでください。PEラインを使うのであればショックリーダー（フロロカーボン、3〜4号、60㎝程度）を先に結び付けます。
ルアー釣りでの仕掛けの選び方
ルアーを使ったクロソイ釣りで使うタックルにはワーム＋ジグヘッドやミノー、ホッパーがあります。中でも初心者の人がルアーを使ったクロソイ釣りで使う仕掛けはワーム＋ジグヘッドがおすすめです。
ジグヘッドを選ぶ際には形状と重さについて考えてください。ジグヘッドの形状については、ポピュラーなラウンドヘッドや小魚を模したフィッシュヘッド、一定層を泳ぐデルタヘッドなどがあります。クロソイ釣りで使う仕掛けとして選ぶ際は、ポピュラーなラウンドヘッドが初心者の人にはおすすめです。
ジグヘッドの重さは比較的浅く潮通しが悪い漁港で釣りを行う場合は、1〜2g程度の軽めのジグヘッドを選び、同じ水深でも潮通しが良い漁港では、5g程度のジグヘッドを選んでください。 逆に10m程度の水深がある漁港では、7〜14gのジグヘッドを選びましょう。
ワームについては形状とカラーを考慮する必要があります。ワームの形状については、小魚を模したシャッドテールワームやピンテールワーム、カールしたテールで強くアピールするカーリーテール系ワーム、甲殻類を模したクロー系ワームがあります。
初心者の人が、クロソイ釣りで使う仕掛けとしては、シャッドテールワームがおすすめです。ワームのカラーについては、グロー（夜行）カラー、チャートカラー、非透過カラー、ナチュラルカラーなどがあります。
- グロー（夜行）カラー：夜間
- イエロー、オレンジなどのチャートカラー：濁りがある場合
- レッドやブラックの非透過カラー：スレたクロソイ
- グリーンやパンプキンなどのナチュラルカラー：他のカラーで反応が悪い時
一方、魚を模したミノーやホッパーであれば大きさは5〜10㎝前後、グリーンやパンプキンなどのナチュラルカラーとピンクなどのアピールカラーがおすすめです。
クロソイの釣り方のコツやポイント
クロソイは夜間、活動し始めるので夜釣りを行えば釣果が期待できます。ただ、夜釣りでは、海に落ちる可能性が大きくなるので、十分に注意してライトなどで常に照らしながら、海への落下は防いでください。
夜はクロソイの活動範囲が広まるので、ジグヘッドにカーリーテールやシャッドテールのワームを使い広範囲にキャスティングしてスイムさせます。色々な水深にワームをスイムして試すのがコツです。
スイムで反応が無かったら、ワームをキャスティングし着底した後に竿先を水平な位置から縦にあおるリフト&フォールでクロソイを誘ってみましょう。
ソイ釣りのマナーについて
漁港や堤防に車で行く際は、駐車禁止エリアでの駐車、迷惑駐車は厳禁です。釣り場では大声で会話したり、大きな物音をたてたりすることはやめましょう。先に釣り場に釣り人がいたらできるだけ離れて釣りをして、距離がとれない場合は、釣りを始める時に挨拶をして隣で釣りをしていいか確認してください。
漁港で釣る場合は漁師さんや漁港施設への迷惑行為は行わないでください。漁港で漁船が近づいてきたら、仕掛けは巻き上げて、釣ることは一旦やめてください。釣りで出たゴミは持ち帰り、タバコの吸い殻を捨てるのは厳禁です。夜釣りを楽しむ際は、近くの釣り人や水面をライトで垂らすことはやめてください。
まとめ
クロソイのエサ釣りでは短冊切りにしたサンマやサバ、イカなどを使うのでイワイソメが苦手な人でも楽しめる釣り方です。クロソイのルアー釣りではワーム＋ジグヘッドを使うことが主流となることがありますが、重さ、形状、カラーを使い分けることで釣果が期待できます。これまで紹介したクロソイの釣り方が、初心者の人の参考になれば幸いです。
