クロダイ(チヌ)の化石が縄文時代の遺跡から出土したことから、太古の昔からクロダイは、人間にとって身近な魚だと考えられます。日本の海には60㎝以上の大型のクロダイもいるといわれ、海釣りでは人気の魚となっています。ここでは、初心者に向けてクロダイの釣り方やコツ、仕掛けなどを紹介します。
クロダイ(チヌ)について
スズキ目タイ科クロダイ属のクロダイ(チヌ)は、北海道の南部より南の本州、四国、九州の海に生息する魚で、関西や九州ではチヌと呼ぶことがあります。一方、黄色い尾ビレや腹ビレを持つクロダイはキチヌと呼ばれています。
クロダイは真鯛と同じようにタイ型の体形をしていますが、体の色はシルバーグレー、黒灰色の背中やヒレ、黒斑があるエラブタを持っており、体長は最大では60㎝以上になることもある魚です。岩礁がある比較的浅い海や砂泥底の海域に潜んで、エビやカニ、貝類、小魚などを捕食して生活しています。性転換する魚として知られており、生後2年前後まではオスで、雌雄同体の時期を経てから、生後4年以降にメスになるそうです。食べても美味しい魚で、刺身をはじめ、湯引き、塩焼き、ムニエルなどにして食べるととても美味しくて、釣った後にも楽しめる魚です。
クロダイの釣り方
クロダイは比較的色々な場所で釣れるため、磯や堤防、河口などの陸っぱりやボートなどで沖釣りを楽しむ人もいます。一方で海の管理釣り場でもクロダイ釣りを楽しむことができます。
エサを使ったクロダイ釣りでは、ウキフカセ釣りをはじめ、ダンゴ釣り、フカセ釣り、ヘチ釣り、カカリ釣りなど多彩な釣り方がありますが、ウキフカセ釣りが多く行われおり、初心者におすすめなので紹介します。また、ルアーを使ったクロダイの釣り方もあるので紹介します。
エサを使ったクロダイの釣り方について
エサを使ったクロダイの釣り方では、ウキフカセ釣りを行う人は多いです。ウキフカセ釣りは投げ竿に棒ウキを使った仕掛けを使うので、クロダイの微妙なアタリが素早く判断できて、波が穏やかな堤防などでよく行われています。
また、棒ウキを使うので、水中でのエサの位置を容易に固定でき、海底近くの層に潜んでいるクロダイでも誘うことができるので、初心者の人におすすめです。
ルアーを使ったクロダイの釣り方について
クロダイをルアーで釣り上げることをチニングと呼ばれています。チニングでは、ルアー釣り用の投げ竿にジグヘッド+ワームや小型ホッパー、小型ミノーを使ってクロダイを釣り上げます。また、バイブレーションといわれる振動するルアーを使って、振動で伝わる波動でクロダイを誘う釣り方もあります。
クロダイ釣りで必要なタックル(仕掛け)など道具や装備
クロダイ釣りでは、ロッドやリール、タックル(仕掛け)以外に必要な道具や装備がありますので紹介します。
あると便利な道具の紹介
- クロダイがハリを飲み込んでしまった場合、ハリを外すためにハリ外しを用意したほうがいいでしょう。
- ロッドやリールなど道具を持って徒歩で移動する事を想定した場合、持ち運びに対応するロッドを入れるケースやリールを入れるタックルボックスが必要です。釣れたクロダイを取り込む際に必要な柄が長いランディングネットも用意してください。
- 誤って飛んできた仕掛けや強い日差しから目や頭を守るためにサングラスや帽子も用意して着用してください。また、命を守るライフジャケットを用意して必ず着用してください。釣ったクロダイの鮮度を落とさないように持ち帰るためには氷が入ったクーラーボックスが必要です。
エサについて
- クロダイ釣りで使うエサは、サルエビやサイマキ、スジエビといったエビ類をはじめ、イガイ(カラスガイ)やカキといった貝類、イワイソメ(イワムシ)やゴカイといった多毛類、スイカやトウモロコシといった野菜まで幅広いです。
全てのエサを釣具店などで購入する必要はありませんが、釣り場の近くにある釣具店に行って、エサについて聞いて選ぶ方法があります。
- エサを使ったクロダイ釣りでは、キャスティングしたタックル(仕掛け)の近くまでクロダイをおびき寄せるためにコマセ(撒き餌)を使います。コマセ(撒き餌)は、米ぬかやパン粉が主成分の配合コマセにオキアミなどを混ぜたものです。
- 配合コマセの袋には配合コマセ1袋あたりのオキアミや海水の添加量が書かれてあるので、指示に従ってコマセ(撒き餌)を作ってください。コマセ(撒き餌)を海に撒くための専用ヒシャクがあるので用意してください。
配合コマセやオキアミは釣り具店で購入できますが、クロダイ用の配合コマセがおすすめです。冷凍オキアミのブロックを使った場合、ある程度解凍してからバッカンと呼ばれる容器に入れてマゼラーという道具を使って粉砕してから、配合コマセを加えて混ぜるため、バッカンやマゼラーを用意してください。
エサ釣りでのリールの選び方
エサを使ったクロダイ釣り(ウキフカセ釣り)で使うリールは、海水に対応した小型スピニングリール(2000〜3000番)が初心者の人におすすめです。
ごくまれに、リールをロッドに取り付けた後に、リールにガタが発生することがあるので、釣具店で確かめて購入することをお勧めします。